カビや曇りのあるレンズは売れる?状態別の見分け方と注意点
はじめに:カビや曇りがあっても、あきらめなくて大丈夫です
古いレンズをライトに透かしたら、中に白いもやや糸くずのようなものが見えた。カビが生えたレンズはもう売れない、捨てるしかない、と思う方は多いかもしれません。
結論から言うと、カビや曇りがあるレンズでも、値段がつくことは珍しくありません。ただし、価値への影響は「何が」「どのくらい」あるかで大きく変わります。この記事では、レンズの中に見えるものの種類と見分け方、そして手放す前にやってはいけないことを紹介します。
まず確認:レンズの中に見えるものは5種類
| 見え方 | 正体 | 価値への影響の目安 |
|---|---|---|
| 小さな点がぱらぱら見える | チリ・ホコリ | 小さい。古いレンズならほぼ必ずある |
| 糸くず、クモの巣、花びらのような模様 | カビ | 軽ければ小さめ。広がっている、跡が残っていると大きい |
| 全体が白っぽくかすんでいる | 曇り | 中〜大。清掃で取れるものと取れないものがある |
| 縁から虹色や白い模様が広がる | バルサム切れ | 大きい。修理が難しい |
| 表面の線や、こすれた跡 | キズ・コーティングのはがれ | 浅く小さければ小さい。目立つものは中〜大 |
- チリ・ホコリ 小さな点
- カビ 枝分かれした糸
- 曇り 白いかすみ
- バルサム切れ 縁から虹色
- キズ 表面の細い線
カビ
レンズのカビは、湿気の多い場所に置かれていたレンズによく出ます。初めは小さな点や短い糸のように見え、進むと枝分かれしたクモの巣や、花びらのような形に広がります。
カビが軽いうちは、専門の業者が分解清掃すれば取れることがあります。一方、長く放っておくと、カビがコーティングやガラスの表面を傷め、清掃しても跡が残ります。この「カビ跡」が残るかどうかで、価値は大きく変わります。
曇り
レンズ全体が白っぽく、霧がかかったように見える状態です。原因はいくつかあり、レンズ内部のグリスや油が揮発してガラスに付いたもの、細かい汚れの膜、ガラスそのものの劣化などがあります。
油や汚れの膜なら清掃で取れることがありますが、ガラスの劣化は取れません。外から見ただけでは区別が難しいため、「曇りあり」として扱われるのが普通です。
チリ・バルサム切れ・キズ
チリは、組み立てのときや長年の使用で入り込んだ小さなホコリです。古いレンズなら、きれいな個体でも多少はあります。写りにもほとんど影響しないため、価値への影響は小さめです。
バルサム切れは、2枚のレンズを貼り合わせている接着剤がはがれる現象です。縁のほうから、虹色の模様や白い線が広がって見えます。修理には高い技術が必要なため、価値への影響は大きくなります。
キズは、レンズの表面に付いた線や、コーティングがこすれた跡です。浅く小さいものなら写りへの影響は小さく、深く目立つキズほど価値は下がります。
状態だけでなく「レンズの種類」でも変わる
レンズの価値は、状態だけで決まるわけではありません。もとの人気が高いレンズかどうかでも、大きく変わります。
- 人気の高いレンズ:探している人が多いため、カビや曇りがあっても、修理して使う人や、部品取りとして欲しい人がいます。状態が悪くても、値段がつきやすいタイプです。
- もとの価格が安いレンズ:カメラのセットについてきた標準ズームなどは、状態がよくても値段が控えめです。カビや曇りがあると、値段がつかないこともあります。
自分で判断がつかないときは、型番を控えて、カビや曇りの程度と一緒に、カメラの専門店に相談するのが確実です。
自分でできる状態の見方
- 部屋を少し暗くして、スマホのライトをレンズの後ろ側から当てる
- 前側から、角度を少しずつ変えながらのぞく
- 絞りリングがあるレンズは、一番小さい数字(f1.4やf2など)に合わせておく。絞りが開いて、中まで見えやすくなる
- 気になるものが見えたら、その状態のままスマホで写真を撮っておく
写真があると、あとで誰かに相談したり、査定に出したりするときに、状態を伝えやすくなります。
手放す前にやってはいけないこと
- 自分で拭いたり、分解したりしない:表面をこするとコーティングが傷つきます。分解すると元に戻せなくなることもあり、かえって価値が下がります。
- アルコールや洗剤を吹きかけない:中に入り込んでグリスを流したり、新しい曇りの原因になったりします。
- カビのあるレンズを、ほかの機材と同じ箱にしまわない:カビは、ほかのカメラやレンズにうつることがあります。別の袋に分けて保管しましょう。
- 日光に当てれば治る、と考えない:日に当ててもカビが消えるわけではありません。高温になる場所に置くと、内部のグリスや接着剤が傷むおそれもあります。
しばらく保管するなら
乾燥剤と一緒に密閉できる容器に入れて、風通しのよい部屋に置きましょう。カビは湿度の高い環境で広がるので、今の状態より悪くしないことが大切です。保管のコツは、「亡くなった父のカメラ、どうする?処分前に確認したい5つのこと」の記事でも紹介しています。
まとめ
- カビや曇りがあっても、値段がつくレンズは珍しくない
- 価値への影響は、何がどのくらいあるか、もとの人気がどうかで変わる
- 自分で拭かない、分解しない、ほかの機材と分けて保管する
- 状態はスマホのライトで確認して、写真を残しておく
カビや曇りを見つけても、慌てて捨てる必要はありません。まずは今の状態を確かめて、記録しておくところから始めてください。